【中古マンションの地震保険は不要】知っておきたい3つのポイント
中古マンションの地震保険加入問題を解決
「マイホームを購入したら、地震保険には加入するもの」と思っている人は、どのような条件で保険が支払われるかを確認しましょう。
地震保険の根幹は「地震の被害を受けた場合に生活再建を目的」としています。
あなたが地震保険の意味を理解しているのであれば、加入することに問題ありませんが、なんとなく加入しようと思っている人は、年間数万円損をしている可能性があります。
地震保険に加入・未加入では金額の差が3倍になります。
マンションと戸建てでは若干条件が異なります。
今回は、中古マンションに特化したブログとなっております。
地震保険の用途は、地震による建物の損傷、地震が原因とする火災の保証がメインになります。
想像してください。
マンションは鉄筋コンクリート造の構造であり、木造の戸建てに比べて非常に強固です。
新耐震基準のマンションで保障金額の100%が全損になるのは極めて低いです。
東日本大震災の事例では、財務省「地震保険制度に関するプロジェクトチーム報告書(平成24年11月30日)」の報告書で全損認定は全体の約5%でした。
この5%の中には、旧耐震基準の戸建ても含まれており、いかに全損認定されることが少ないかがわかります。
条件にもよりますが、地震保険の加入の有無で年間の支払いは約19,000円違います。
年間19,000円支払えば、安心を買えると思った人は、加入してもよいかと思います。
私は下記の理由から地震保険には加入しませんでした。
- 鉄筋コンクリート造のマンションの新耐震基準
- 全損認定されることは、ほとんどない(東日本大震災で5%)
- 地震保険で家計を圧迫する
多くの人は下記の3つのどれかで地震保険を検討します。
- 不動産仲介に紹介される
- 住宅ローン借入先(銀行)に紹介される
- 自分で見積り比較サイトを利用して探す → おすすめ
- 私は【インズウェブ火災保険一括見積もりサービス】を利用しました
ここで注意した方がいいのは、「一般的にこんな内容で加入されています」というセールストークです。
おすすめなのは、①〜③の条件をそろえて相見積もりを取ることです。
自分で見積もり比較サイトを利用するなら、「インズウェブ」がおすすめです。
この相見積もりをするかしないかでも金額の差は数万円で出てきます。
1番やってはいけないことは、比較をしないで地震保険に加入してしまうことです。
しかし、多くの方が「何を基準に選べばいいのかわからない」と悩むことも事実です。
- 「必要ですよ」と言われたまま加入している
- ネットで相場を調べて、なんとなく入っている
オプション(特約)をモリモリ付けると、保険料はものすごく高くなります。
今回は、火災保険の中でのオプション(特約)としてある地震保険についてまとめたブログです。
最後まで読んでいただき、あなた自身の判断で「地震保険」への加入の有無を決定しましょう。
このブログを読むとわかること
- 自分に地震保険が必要か知りたい人
- なんとなく地震保険に加入している人・加入しようと思っている人
- 周りが入っているから自分も加入しようと考えている人
地震保険とは?
地震保険は、地震、噴火、またはこれらによる津波で発生した建物や家財の損害を補償する保険です。
- 火災保険とセット:地震保険は単独では契約できず、必ず火災保険とセットで加入
- 補償内容:地震等による火災、損壊、埋没、流失などの被害を補償される
- 契約金額:火災保険の契約金額の30%〜50%の範囲内で設定
- ただし、建物は5,000万円、家財は1,000万円が上限
- 公共性:政府と民間保険会社が共同で運営する公共性の高い保険制度
意外に知られていないことは、地震による火災は地震保険で対応されるということです。
火災保険のみでは、対応されません。
戸建てだと木造が多いため、加入したくなる気持ちはわかります。
下記は、「中古マンションの火災保険」について、まとめたブログです。
理解を深めるために、ぜひご覧ください。
意外と知られていない事実「生活再建を目的としている」
私は地震保険を真剣に考えるまで、地震が起きて建物が壊れたら、保険で修理できるものだと思っていました。
実際は違います。
あくまでも「地震の被害を受けた場合に生活再建を目的」としています。
契約金額が火災保険の契約金額の30%〜50%の範囲内で設定されている時点で、全損したとしても、全額が保証されない保険となっております。
ただし、最近では特約である地震保険のさらなる特約も出ており、最大で火災保険金額の100%まで補償するものも出ております。
被災した場合、結局いくら保証金がもらえるの?
損害の程度に応じて、以下の4段階で保険金が支払われます。
- 全損:保険金額の100%
- 大半損:保険金額の60%
- 小半損:保険金額の30%
- 一部損:保険金額の5% →東日本大震災では1番多かった
東日本大震災の事例では、全損認定は全体の約5%*
地震保険は地震による損害程度が「全損」「大半損」「小半損」「一部損」のいずれかに認定されて、地震保険金が支払われます。
あのマグニチュード9を観測した東日本大震災において一番支払われたのは全体の約70%*の「一部損」認定です。
全損認定は全体の約5%*でした。
この5%の中には、旧耐震基準の戸建ても含まれており、いかに全損認定されることが少ないかがわかります。
東日本大震災における損害区分 | |
全損 | 4.9% |
半損 | 24.2% |
一部損 | 70.9% |
*出典:財務省「地震保険制度に関するプロジェクトチーム報告書(平成24年11月30日)」
実際いくらでるのか?
【例】
火災保険の保険金額を建物2,000万円家財1,000万円、地震保険は50%で建物1,000万円、家財500万円で契約の場合
地震により建物の主要構造物が建物の50%の損害を受けた場合
損害の程度:一部損
支払われる保険金:50万円(1,000万×5%)
地震により、家財が30%の損害を受けた場合
損害の程度:一部損
支払われる保険金:25万(500万×5%)
合計75万円が支払われます。
保険料は年額いくら?
条件にもよりますが、地震保険の加入の有無により、年額19,000円の差が生じます。
条件
価格.com保険で簡易計算を用いて、以下の条件で保険料を算出しました。
ソニー損保の金額
- マンション(M構造)
- 神奈川県
- 築30年
- 建物保険額 1,000万円
- 家財保険 500万円
地震保険なし 42,741円/5年契約の場合
※1年契約であれば、9,853円
地震保険あり 129,971円/5年契約の場合
※1年契約であれば、28,453円
1年契約だと、年額は19,000円の違いになる
年額19,000円を支払い、一部損程度の保険料を受け取りたいと考えている人は加入したほうがよいです。
心配で夜も眠れない人は、19,000円を支払い普段の生活に安心を手に入れましょう。
私が地震保険を不要とする3つ理由
- 鉄筋コンクリート造のマンションの新耐震基準
- 全損認定されることは、ほとんどない(東日本大震災で5%)
- 地震保険で家計を圧迫する
鉄筋コンクリート造のマンションの新耐震基準
私が購入したRCマンションは新耐震基準だったため、半壊以上になることはないと考えました。
また、共用部分はマンション管理組合が加入していることが一般的です。
購入前にマンションの管理組合が地震保険の有無についても確認する必要があります。
個人で加入する保険より、マンション管理組合の加入の有無の方が重要になります。
令和5年の財務省の地震保険加入促進資料によると、マンション共有部の地震保険の加入率は50%を下回っております。
新耐震基準とは?
震度6~7程度の地震でも建物が倒壊しないように設計されており、旧耐震基準と比べて耐震性に関する規定が厳格化されています。
私の仕事での経験上、構造設計者はこの基準に対して、ギリギリを狙って構造計算することはありません。
大手の事務所であれば、社内基準などで新耐震基準よりも、安全率を求めて計算をするため、震度6で倒壊はしないで半壊になるということは、極めてないことが言えます。
それに加えて、施工者も「構造体」「耐火」には、とても慎重に扱います。
全損認定されることは、ほとんどない
あの東日本大震災で全損認定が5%と低く、新耐震基準のマンションでは保険の恩恵を受けることがないと考えたためです。
また全損認定されても、火災保険の50%しか設定できないため、手厚い保険ではないと考えたためです。
地震保険で家計を圧迫する
純粋に保険料が高いです。
諸条件は、同ページ内【保険料はどれくらい掛かるのか?】参照
地震保険なし 42,741円/5年契約の場合
※1年契約であれば、9,853円
地震保険あり 129,971円/5年契約の場合
※1年契約であれば、28,453円
1年契約だと、年額は19,000円の違いになる
よく考えると、火災保険だけであれば、年間9,800円であり、さらに19,000円を支払いオプションである地震保険に入ります。
例えるなら、
ハンバーグ定食が1,000円だった場合に、エビフライを追加すると3,000円のハンバーグとエビフライ定食になるイメージです。
戸建てだと年額50,000円もかかる場合もあります。
いかに、地震保険の保険料が高いかがわかっていただけたでしょうか。
【+α筆者意見】隣との部屋境がRCの壁で隣家から延焼のリスクが少ない
マンションの専有部と隣の部屋は一般的にRC造の壁で区画されております。
仮に地震時に隣家で火災が起きたとしても、自分の家に火災が広がる可能性は少ないと考えました。
逆に考えると、自分の家から火災が起きたとしても、隣人の部屋まで延焼するリスクは低いと考えました。(失火責任法により、隣家からは法的な責任は問われない)
鉄筋コンクリート造は火災に強い
鉄筋コンクリート造は、躯体の主要構造部そのものが不燃材料です。
建築基準法の構造区分でもっとも火災に強いとされる「耐火構造」に区分されています。
その強さは1000℃の炎に2時間さらされても燃えることがなく、強度も低下しません。
地震保険料控除が理由で加入しない(おまけとする)
「地震保険の控除が受けられるからお得ですよ」は危険です。
控除はおまけだと思ってください。
- 所得税:地震保険料控除の上限は 50,000円
- 住民税:地震保険料控除の上限は 25,000円
これだけ見ると「50,000円が控除されて、50,000円戻ってきそう」と思いますが、違います。
ポイントは所得税の控除ということです。
下記を参考にしてください。
地震保険料控除によって所得が減少し、その分だけ所得税が軽減されます。所得税率(課税所得に応じた税率)に応じて戻ってくる額が変わります。
- 控除額 × 所得税率
所得税率は5%~45%(課税所得に応じて変化)
例:所得税率が10%の場合
- 地震保険料:20,000円
- 控除額:20,000円
- 減税額:20,000円 × 10% = 2,000円
住民税では一律で10%の税率が適用されます。
- 地震保険料:20,000円
- 控除額(住民税の上限):25,000円
- 減税額:20,000円 × 10% = 2,000円
年間20,000円支払って、4,000円(所得税2,000円+住民税2,000円)が減税されます。
4000円のために、20,000円を払ういう意味がわかない現象になってしまうので、控除は地震保険に加入した場合の「おまけ」だと思ってください。
地震保険の加入を考える人
津波によるリスクがあるエリアの人
津波被害は建物の構造だけでは考えてはいけないためです。
例えば、新築のコンクリート造のマンションでも1Fに住んでいれば、津波の被害に遭うことがあります。
これは新築でも古い建物でも同様の条件になるため必要になると考えました。
保険は誰かに促されて加入するものではありません。
自分で考えて納得して加入するべきだと思います。
まずハザードマップを確認しましょう。
ハザードマップポータルサイトは住所を入力するだけで、非常に見やすいサイトとなっています。
私は物件探しや保険を考えるときに利用しました。
とにかく心配な人
保険に入らないと心配で夜も眠れない人は地震保険に加入しましょう。
お金を払って安心を買うことは重要です。
私はそれも1つの保険の役割だと思います。
加入しないことで心配になり、毎日ストレスやちょっとしたことでモヤモヤするのであれば、加入した方がよいでしょう。
【まとめ】中古マンションの地震保険は不要
地震保険のポイントを理解していただけたでしょうか。
私は自分で色々調べた結果、地震保険には加入しておりません。
- 鉄筋コンクリート造のマンションの新耐震基準
- 全損認定されることは、ほとんどない(東日本大震災で5%)
- 地震保険で家計を圧迫する
今回のブログを読んでいただき、あなた自身の判断で「地震保険」加入の有無を決定しましょう。
特に地震保険は、あなた自身の考え方が出てきますし、金額に大きく左右されます。
私は火災保険を比較する時に、ネット比較サイトの「インズウェブ」を利用して、比較見積もりをしました。
このサイトでも地震保険の有無を含めて相見積もりを取ることができます。
非常に簡単な項目の入力で進めることができるので、おすすめします。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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